ナナイロ宝箱

その灯火が、消える前に

君がいる世界の中で

 

 

会いに行ける時に会いに行かないと後悔するだとか、いつまでもそこに居てくれると思っちゃダメだとか、そんなことは呆れるほど耳にしてきたし頭では解っているつもりだったのに、いざ別れを目の前にすると自分の覚悟は足りていないのではないかと考えさせられます。

 

 

突然の別れに涙を流したり、1つの時代が終わったような気分になったり、別れすら伝えられない状況を嘆いたり、アイドルとの別れを通じてたくさんの感情を抱いた2月。それぞれのアイドル人生を自分の記憶に残せる時代に生まれたことに幸せを感じながら、アイドルが人々に与える影響の大きさに驚愕しました。

 

彼等の輝きがわたしの道を照らしてくれるような、彼等の光をうけてわたしが頑張れるような、大袈裟な表現にはなるけれどやはりわたしの陽だまりは彼等であって、わたしはそこで生きていきたい。ただ、交わらないならばこれほどの想いも誰にも迷惑はかけないだろうと思ってはいても、心の何処かで心配はある。たくさんの人から矢印を向けられるのはどんな気持ちなのか。痛くはないのか。辛くはないのか。壊れてしまわないか。

 

いつか消えてしまわないか。

 

ー わたしの好きな人達はずっとそこに居てくれる気がする ー

 

しがないヲタクのそんな自信は何の保証にもならないし、彼の気持ちは彼にしかわからない。デビューをした彼がそこに居続けてくれることも絶対ではないし、何があるかわからないから覚悟をしていないわけでは無い。それでも、あの苦境を乗り越えられた彼等ならと少し安心をしてしまったりもするのです。

 

じゃあまだそこで足掻いている君はどうだろう?

 

何もわからずお兄ちゃんたちに甘やかして貰ってばかりのところから、舞台で主演をいただけるくらいにまでなったけれど、括りの中からは抜け出せないままで。経験は少ないかもしれないけれど、頑張らなかった人間がここまでこれるほど甘い世界ではないとわたしは思っているよ。だけど、それが全ての人に真っ直ぐに伝わるかと言われたらそうでは無いし、良く思わない人がたくさんいるのも事実で。巡る環境のなかで板挟みになった君は、憶測で多くを語られては心ない言葉を浴びせられて、それでも何も知らないような顔をして。そんな君をみてわたしは胸が苦しくなったけれど、じゃあ君はどうだろう?痛くないですか、辛くないですか、壊れてしまわないですか?

 

いつか消えてしまわないですか?

 

誰かにその切符が与えられるまでは、それまではみんなが横一列だと思っているから、「推されに何がわかるんだ」みたいな言葉は腐るほど言われたけど何も響かなくて。アイドルだからといって個人を叩いて良い訳がないのに、そうやって心ない言葉を浴びせる人たちに「彼の何がわかるんだ」と逆に言ってあげたかった。ヲタクなんて自担のことすらわかってないのに、どうして他メンのことまでわかった気になって下げようとするんだろうって、そんなことしても貴女の担当は上には行けないよって、そのくらいわかってよって、そんなことばかり思ってたし、そんな環境のなかで君は大丈夫なのかと不安でいっぱいだった。でもどんな偏見からも守ってはあげられないし、多分君もそれを望んでいないのかなと思った。1度仮面をつけた君を守ることが出来る方法があるとすれば、それは何も知らないふりをしてただ応援することだけなのではないかなと。

 

話はズレたけど要するに、どれだけ前に出ててもこれという決定打がない限り何も変わらないし、もどかしい日々が続くんだろうなということで。況してや魅力的なメンバーで溢れるこの世界では今の位置を保つだけでも大変なことだけれど、でも、その切符を君が手にする姿をこの目で見届けたい。もっと大きなステージで君に輝いて欲しい。欲を言えばいつか、周りの目を気にせずにあの時を懐かしむ君の話が聞きたい。暖かい眼差しに包まれて本当の顔で微笑む君がみたい。

 

ヲタクは求めるばかりで、何も与えられないのが悔しいけれど、それでも今はどうかそこに居てください。辛くなったら無理はしてないで、なんてことは優しい言えないから、意地でもそこに立ち続けてください。君が本当に笑えるのは、報われるのは、きっとその先にあるはずです。

 

君が消えずにそこにいてくれる限り、灯火を消さずにいてくれる限り、その光を借りて暮らしていくから、だからどうか、ずっとずっと消えずにいてくれますように。