ナナイロ宝箱

その灯火が、消える前に

淡 色 。


弱音なんて吐けない、そうしていつも真っ赤なリップを唇に。

おしゃれが大好きだから、この仕事に就いた。好きなものに囲まれて出来るこの仕事が大好きだった。だけど今は仕事仕事の毎日に、帰宅後も待っている家事に、心も身体も疲れていて。休もうと思えば休めるけれど、弱い奴だなんて思われたくない。いつでも強い自分でいたい。

強くいたい、負けたくない、そう思いながら今日も、開店前に赤いリップを塗る。私を強くみせてくれる赤いリップ。気合いをいれて、いつも通り開店、のはずだった。

「これ、お前に似合うかなぁ〜って。」

開店前の慌ただしさに紛れて、同僚の彼が何かを私に差し出す。彼が差し出してきたのは、可愛いパッケージに入った淡いピンクのリップグロスで。いきなり何故 、そう問いかける間もなく 

「やわらかいくらいが丁度ええよ、お前は。」

ふわりと笑った彼に、肩の力が抜けていく。心の中を読み取っての行動か、はたまたただ赤いリップを否定されただけか。本当のことなんて恥ずかしくて聞けないけれど、意外と鋭い彼のことだから、きっと。

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この間のタグ、ぽんしゃんが続きを熱望してくれたので(笑)、書かせていただきました( ⸝⸝•。•⸝⸝ ) 書いてて自分でもよくわからなくなっちゃいましたが…大丈夫かしら。